探る
「金、払えばいいんでしょ?」
俺はそう言って100円玉を事務机に乗せた。
「そういう問題じゃないよ、君。万引きは立派な犯罪だって分かってるのかね」
こめかみに青スジ立てて怒るコンビニ店長が、さっきから長ったらしい説教を続けていた。
犯罪だって言うなら、警察を呼ぶなりすればいいだろ?
なにをさっきから長々とやってるんだか。
だいたい、たかがガム一個じゃん。
こんなんで事務所に閉じ込められて30分以上も説教されるなんて、冗談じゃない。
「店長、反省の色ナシってとこですか?」
作業着姿のオヤジが部屋に入ってきた。
背はそれほど高くないけどやたらとガタイのいいオヤジで、青々と生えた顎鬚を撫でながら、俺をジロジロ見る。
薄笑い浮かべて、すごくヤなカンジ。
そのオヤジを見た店長が、今までの難しい顔から一転して明るい表情になった。
「やっと戻ったな。待っていた」
「連絡もらって、これでも飛ばしてきたんスよ。で、始めますか」
「そうだな」
作業着のオヤジが粘着テープを取り出して、数十センチ繰り出す。
薄笑いのまま近づいてくるオヤジに危険を感じた俺は、咄嗟にドアに向かって駆け出した。
「用事は済んでいない」
いきなり後ろから店長に抱き付かれた。
「てめっ!なにすんだよ!」
思わず振り向いた俺の隙を突いて、正面のオヤジが両手首を掴む。
「イテっ、放せ!」
思い切り暴れるけれど、いかにも労働者タイプのオヤジの力はスゴくてびくともしない。
意外なことに俺を後ろから押えている店長も力が強くて、俺は唯一自由な足で二人をガシガシ蹴る。
「放せって!てめぇら、なにすんだよ!」
「おとなしくしてな」
手首をクロスさせた状態で、粘着テープがグルグル巻かれていく。
ヤバい。こいつら、ヘンだ!
俺の手はあっという間に自由を奪われてしまう。
「さて、店長。こいつが盗んだのはガムでしたっけ」
「そうだが、それだけかどうかはまだ確かめてない」
「じゃあ、身体検査しますか」
オヤジが手首を掴んで頭の後ろに引っ張ったので、俺は首の後ろあたりで手を組んで胸を張った格好にされる。
「イテぇって!」
店長の手が腹の周りから移動して、胸やら腰やらに触ってきた。
「ガムしか取ってないって!」
手がズボンのポケットの中にまで入ってきて、ゴソゴソ探っている。
このズボンは緩めのサイズだからポケットも深くて、店長の手が俺のちんちんに触った。
「ん・・・何か触った」
「バカ、それ、違うって!」
執拗に性器の上を手が這う。
ちんちんの両側を指ではさみ、上下に何度もこする。
ムズムズする感覚が触られてるところから上がってきて、おっさんに触られてるっていうのにちんちんが固くなってきた。
「ここに何か隠しているだろう」」
「んんっ・・・違・・・っ」
ベルトが引き抜かれ、ファスナーが開けられる。
ズボンとトランクスが一緒に膝下まで下ろされ、俺は下半身を剥き出しにされた。
「なんだこいつ。勃っていやがる」
オヤジが笑って片手でキンタマを握り、ゴムボールかなにかみたいにクイックイッと緩急つけて揉む。
「ぁあっヤメろ・・っ!変態オヤジっ、放せ!」
だが俺が罵声を浴びせている間にも、店長の方がTシャツを胸の上まで捲り上げている。
「ぃ、イテ!イテテっ!あぁっ!」
なぜかこちらも固くなっていた両方の肉の粒を摘み上げられ、俺は悲鳴を上げるしかなかった。
「キンタマ揉まれてちんぽガチガチにして、色気づいた餓鬼ッスねぇ」
「ああ、見ろ。乳首をねじられて悦んでいる」
「違うって!バカ、変態、ぁぁ・・触るな!んぅっ・・!」
二人に散々性器を弄られて、身体の真ん中がツーンとむず痒くなる。
皮膚の表面に火がついたみたいに熱くなって火照って、ちょっと触られても過敏に反応してしまう。
「ああ・・っ・・・誰かっ!来て!助けてっ・・・!」
「だあれも来ねぇよ」
オヤジがあの気味の悪い微笑を、俺の顔にぐっと近づけて囁く。
「だから安心して声、出しな。いい鳴き声、聞かせろ」
事務机の上に腹這いに乗せられ、尻だけ高く引き上げられた。
股間の全部を視姦され、恥ずかしさと悔しさが体中を高速でぐるぐる回っている。
頭を上げようとしても、体力オヤジが俺の肩を押さえつけていて動けなかった。
「どこに隠している?」
俺からは見えない、俺の尻側にいる店長がそう聞く。
「何度言えば分かんだよっ・・・ガム一個だってば!」
「騙されねぇぞ。嘘つきは泥棒の始まりって言葉、知ってるか?」
「君はすでに泥棒だからな。嘘つきでもあるわけだ」
「わけ分かんねえコトっ!」
尻の方からネチョリっていうかグチョリっていうか、とにかくネトネトしたモノが搾り出される音がしている。
それが何か判断するよりも早く、俺の尻の谷間にドロドロに濡れた指が触った。
指は割れ目に沿って上下して、肛門の上を何度も何度も行き来する。
「ぁ・・あ・・っ・・なにっ!?」
「ここに隠してるんじゃないのか?」
指先が肛門の上でぴたりと止まる。
「そんなわけ、無・・・っ・・・んうっ!!」
じゅぷっと音がして、尻の中に指が入ってきた。
指は入り口を突破すると、あとは楽々と奥に進む。
「嘘つきの言うことなんぞ信じられないな。きちんと調べてやる」
指がすっかり根元まで入って、今度は何かを探るみたいにグネグネと動き回った。
「あ・・っ・・・いっ・・ぁ・・!ヤメ・・っ!」
内臓を揺り動かされて気持ち悪いのだけれど、それ以外の感覚も混じっていて、俺は切なくなってきた下半身を引き締めながら腰をくねらせる。
「プリプリ、ケツ振ってるッスねぇ」
オヤジが笑って俺の尻をピシャピシャ叩く。
「動くんじゃない。『探し物』が見つからないだろう」
何も見つかるわけないと言おうとした俺は、いきなり下半身に走った衝撃に悲鳴を上げた。
「ぁあうっ!っあ!」
なんて言えばいいんだろう、ちんちんの根っこのそのまた奥に電気を流されたような、その電気がちんちんの先までピリピリしながら弾けていくようなカンジ。
「そ・・こっ・・ぁあんっ・・・ヤだっ!」
「ああ、『ここ』か」
こっちからは見えないけれど、店長が笑ったのがはっきりと分かった。
俺が悲鳴を上げるポイントを中心にグチュグチュと掻き回し、そこをめくり上げるみたいに押し上げる。
「ひいいぃぃいっ!いぃひぃいいい・・っ!」
ああ、ダメだ、なんか漏れそうっ!
「そら、ちゃんと店長にケツ向けろ」
オヤジの手が身体の下に潜ってキンタマを掴み、肛門に付きそうなくらいに尻側に引っ張る。
「イテっ・・ぁあああっ!あぁんっひぃん・・っ」
痛みで尻をますます高く上げたところで、キンタマをキュッキュッと揉まれた。
もちろんその間も尻の中のビリビリするところを掻き回されていて、俺は痛いんだか気持ちイイんだか分からなくなって喘ぐしかない。
「どうです、店長?」
「これだけじゃ分からんな。覗いてみないことには」
「あっ・・・ん・・っ」
指が引き抜かれた途端、俺の身体は糸の切れた操り人形みたいに弛緩する。
下半身から生まれた熱が全身を侵食していて、どこもかしこも熱い。
もうそこに指はいないのに、尻の中に指の感触がくっきりと残っていて、時々むずりとするカンジが身体の中心を走り抜けて俺を苛んだ。
俺の身体、どうしちゃったんだよ!?
「おい餓鬼、見えるか。ほら、見るんだ」
瞼を開けると目の前に奇妙な銀色の金属製品があった。
鳥の長いくちばしに取っ手のついたような形をしていて、オヤジがペンチみたいな取っ手を握ると、ホントのくちばしっぽく大きく口が開く。
「これがなんだか分かるか?」
オヤジが楽しそうに何度もくちばしを開閉する。
「ここの金具を締めるとな、広げっぱなしにできるのさ」
「広げっぱなし」と言われてやっと、それがなんなのかに気付いた。
「それ、まさか・・・そんなんで俺の・・」
「そうだ、クスコーだ。こいつでお前のケツの中を覗くんだよ」
「イヤだっ・・・!」
起き上がろうとした両肩を、もの凄い力が上から押さえつける。
構わず暴れると、いきなりキンタマを強く握られた。
「ぎゃあぁあああっ!」
目の前が真っ白になるほどの激痛だった。
「まだ全部終わっていない。帰れると思うな」
店長の重く冷たい言葉を聞きながら、俺は自分の運命を悟った。
こいつらは、俺みたいなのが万引きをするのを待っていたのだ。
固くて冷たい金属が、尻の中に入ってくる。
先端が細くて根元の太い形状のせいで、肛門が大きく開かれてヘンなカンジ。
でも、その次に起ったコトは、もっとヘンな感覚だった。
「んんぅ・・・・っ」
くちばしがぱっくりと開いて、入り口と同じくらいに奥のほうが広げられた。
「どれ・・・奥まで見せてもらおうか」
「ふ・ぅ・・・・」
空気に触れたことの無い場所に風が吹き込んで、息を吹きかけられるだけでムズムズしてしまう。
触られていない前の肉までぴくんと反応して、俺は切なさに身をよじった。
「一丁前に締め付けている。奥のほうがヒクヒクしているな」
「ケツ穴覗かれて興奮してるんスか?泥棒の上に淫乱とはなぁ」
「も・・ヤメてくださ・・ぃ・・・・お願・・ぁああああっ!」
開きっぱなしの場所にまた指が入ってきて、くちばしとくちばしの隙間の肉壁を撫でた。
さっき感じてしまった場所を、痺れるくらいに何度も押す。
「はひぃいい・・っ・・・ヤメてっ・・んあっ・・助けて・・っ」
一度押すごとに何かが漏れ出す感覚が俺を襲う。
「あぁはぁあ・・っ・・・イヤぁああぁっ・・・!」
「ほうほう、何か出てきた」
店長が俺の先走りを反対の手ですくってオヤジに見せた。
それもご丁寧に鈴口をしごいてから。
「んんんぅ・・っ!!」
ぶるぶるぶるっと尻が震え、甘くて熱くてドクドクするカンジが、尻の中の押されている場所で弾ける。
「店長、この餓鬼、ケツで・・・」
「ああ。これは『探り甲斐』があるな」
ずこっと音がしそうなほど強く突いてから、指が抜かれた。
最後の一撃に全身が痺れ、乳首までツンツンになってしまったのが分かる。
店長が俺から離れても、例の器具は口を開いたままに固定されているらしく、相変わらず尻穴を全開にしている。
「指では手の甲が邪魔になって、覗きながら探れない。これを使うか」
「ああ、そりゃあいい。スケベな餓鬼には丁度いいッスよ」
店長が持ってきたのは、握りの部分まで入れたら30cmもありそうな長い棒だった。
先端には直径3cmほどの卵形のものが付いている。
全体的にしなっていて柔らかそうな棒の先端が、俺の頬に当てられる。
カチリとスイッチが入り、棒がたわみながら振動した。
「これで君の、奥の奥まで探る。何を隠していても無駄だよ」
狂っている。
絶対にマトモじゃあない。
俺は恐怖のあまり絶叫したが、その声は他の誰にも届いてはいなかった。
必死で暴れる俺の髪をオヤジが掴み、何度も机の天板に打ち付ける。
意識が朦朧としてきて、俺は抵抗をやめてすすり泣くしかなかった。
尻の中に息が吹き込まれている。
店長が俺の中を覗いているんだ。
くちばしの隙間の肉に、プラスチックの球体が触れている。
さっきの器具を挿入されているんだと思ったら、また涙が溢れてきた。
「ああ、これなら覗きながら探れる」
俺の性感帯の上を往復して、時々はクリクリと回転しながらくじる。
正確なピンポイント攻撃は、俺の尻が全開にされて丸見えになっていることを嫌と言うほど教えてくれる。
「ぁああぁ・・ぁ・・あぁ・・・っ」
しなる棒で押されるのは指でされるよりもじれったく、俺は息苦しささえ感じるほどの焦燥感に苛まれる。
我慢汁がダラダラ流れて、それがまたちんちんを震えさせる悦びに変換された。
「そら、どうだ、泥棒め。尻を弄られていやらしい汁を吐き出しやがって、変態めが」
店長がうわ言のように呟き、棒で尻を探る。
「ャぁあぁ・ぁ・・はぁ・ぁあぁ・・・」
叫びすぎて掠れてしまった俺の声が、密閉された鉄筋コンクリートの室内に響く。
こんなエッチな声、俺の声じゃない。
でも、ああ、そこを押されると、たまんない。
漏れちゃうよ、出ちゃうよ!
「ヤメて・・はぁんぁあ・・ぁはっ・・っ」
「いいだろう、そろそろ楽にしてやる」
ビーンと振動音がして、棒が激しく震えた。
頬に押し当てられた時よりも、強い振動で。
「ぁああーーーーーーっ!!ひぃぁあああーーー!!」
俺の一番の性感帯を、無機質な棒が連打している。
熱いものがドバっと溢れてきてキンタマやちんちんの中をグルグル駆け巡って、背筋から脳天まで目も眩むような快感が一気に通り抜ける。
「イヤあーーっ!ぁあぁああーーーーっ!!」
腰が自然に前後に揺れたが、中を覗きながら棒を操作している店長は、慌てずにその動きに合わせてきたので、振動する卵が性感帯から外れることはなかった。
「出した!出しやがった!」
俺は射精していた。
ちんちんをしごいて出せば1mは軽く飛ばせるのに、尻を掻き回されての射精にはまったく勢いがなくて、ダラダラと漏れ出すみたいに出てくる。
「ぁはぁあああぁあああああ・・・っ」
尻もちんちんも熔けちゃいそうな快感が、途切れることなく続く。
いつもの射精時の爽快感は微塵もなくて、イく直前の泣きたいほど切ない感覚をいつまでも強要されてるカンジ。
俺、こんなにされたらおかしくなっちゃうよ・・・っ!
助けて!お願いだから!
「ぁああぁーーっ・・ぁあーーっ」
そう叫んだはずなのに、俺の喉から漏れるのは甘く爛れたヨガリ声だけだ。
「まだまだ出そうだな」
最後の一滴まで搾り出そうと、モーターの振動が最高になった。
もう、声なんて出せなかった。
なのに、射精はさっきから終わることなく続いている。
壊れた水道みたいに精液をトロトロ漏らして、俺は自分の意志とは無関係に前後に尻を揺らしながらイき続けた。
「どうだ、思い知ったか、この変態餓鬼め」
正気を失って上ずった店長の声が、どこか遠くから聞こえる。
「これが終わったら浣腸してやる。出せるモノは全部出させてやるからな」
その責めは、俺が完全に意識を失うまで終わらなかった。