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股縄

backdoor.jpg

もうどのくらい、こうしているのだろう。
部屋と呼ぶにはあまりにも殺風景な場所に、俺はかなり長い時間放置されていた。
錆の浮き出た鉄板を打ち付けた壁は、裸電球の明かりに照らされて寒々とした部屋を余計に冷たく見せる。
コンクリートが剥き出しになった床には、この部屋の唯一の家具であるベッド。
ビニル皮を張り付けたそれはクッション性に乏しく、診察台とでも呼んだ方が良さそうな代物だ。
俺はその上に、うつ伏せに寝せられている。
それも尻だけ高く上げた卑猥な格好で、尻に特大のディルドを埋め込まれたままで。

膝を立て、前屈みになったところを、両手首をそれぞれ同じ側の両足首に縛られ、俺は胸と顔で体重を支える苦しい姿勢を強いられている。
首も肩も軋んで横になりたいと願うが、姿勢を変えることが出来ない。
なぜなら。
「どうだ、気は変ったか?」
俺をこんな目に遭わせている張本人が、部屋に戻ってきた。
大柄で筋骨逞しい、中年の男だ。
俺はこいつが誰なのかを知らない。
「相変わらずだんまりか。ほら、返事くらいしろよ」
「んぅ!」
男が俺の股間から延びている縄を引いた。
それは陰嚢の根元をぐるぐるに縛って、両手足を拘束している縄に連結している。
重苦しい痛みを伴う、陰嚢責めを与えるための縄。
ほんの少し腰を動かしただけで、陰嚢を容赦無く引き絞り痛めつける、恐ろしい仕掛け。
俺はこの縛めのせいで、ずっとうつ伏せの体勢で耐えねばならなかったのだ。
「きちんと返事できないなら、オシオキしなくちゃな」
鈍痛に顔を歪めて耐える俺を笑いながら、男は何度も縄を引いた。
ひどく荒れた表面のそれできつく結わえられた俺の股間に、刺すような痛みが走る。
「ぅ、あっ!あぁっ!」
「キンタマ責められて悦びやがって」
強弱をつけながら縄が引かれた。
袋の中のモノが身体から引き離され、皺だらけの入れ物を下方に伸ばす。
そのまま軽く引かれるとピリピリと電気的な刺激が起こり、正直、苦痛以外の感覚が生まれてしまう。
「あっ・・・ぁ・・・っ」
こんなことで感じるなんて、俺はどうしてしまったんだろう。
「こら、一人で楽しんでんじゃねぇよ」
「ぎゃぁあっ!」
強く引っ張られ、内臓を引き抜かれたのではないかと思うような激痛が俺を襲った。
あまりの痛みに涙が止まらず、冷たい唾液が口の中に溢れてくる。
鈍重な下半身の痛みに翻弄される俺は、それを飲み込めずに吐き出した。
「なんだ、今度は嬉し泣きか。とんでもない変態だな、お前は」
姿勢のせいで男の顔はよく見えないが、奴が俺を嘲笑っているのは良く分かった。
こんな理不尽な暴力に屈するのが嫌で、俺は必死で悲鳴を噛み殺す。
「・・・違う・・・っ。誰が、こんなこと・・・・」
「よく言うぜ」
男の手が股縄にかかった。
股縄はディルドの首に結わえられていて、おかげでこの太くて長いシリコンの塊が尻から抜け落ちることはない。
腸圧で押し出されたディルドを固定するそれを揺すられ、俺の尻の中に変化が起きた。
「お前、さっきも、浣腸で散々楽しんだよなぁ?」
「・・・やめろっ・・・!」
「俺のをちゃんとしゃぶったら許してやるって言ったのに、ちっとも言うことを聞かないで、ここにぶっとい浣腸器突っ込まれて」
「ぁあっ・・・あぁああっ・・・っ」
股縄をぐいぐい揺すられると、尻の奥深いところから突き上げるような悦びが生ずる。
甘く切なく、今日の今日まで想像もしなかった快感。
「四回も浣腸されたんだよなぁ。最初の浣腸はスゴかったぜ。俺の目の前で大股広げてクソたれて」
「はあぁ・・・ヤメ・・・っ」
「残りカスを指で掻き出されて、それで勃起したんだよなあ!」
「あぁああぁあっ!」
ディルドが深いところまで押し込まれ、俺ははしたない悲鳴を上げながら全身を震わせた。
信じられない。俺の尻の中に性感帯があるなんて・・・。
「ここだろう?この辺が感じるんだよな、お前は!」
「ああーっ!あーーっ!」
尻の中をぐちゃぐちゃに掻き回される。
何度も浣腸されて、終いには透明な水をホースみたいに噴出していた俺の尻は、ローションを塗られたとはいえ、驚くほど易々とこのおぞましい器具を飲み込んでいた。
「ケツが感じるんだろう?キンタマ苛められて嬉しいんだろう!?」
「違う・・・あぁあああっ!そんな、ぁあああっ・・・違・・・っ」
「違わねぇよ。触ってもいないチンポ、ビンビンにしやがって」
男がぐるぐると犬のしっぽのようにディルドを回しながら、反対の手で俺の陰茎を掴んだ。
「ぁあひぃいっ!」
そこは痛いほどに勃起していて、軽く亀頭を撫でられただけでもビリビリと痺れる快感が走り抜ける。
やめてくれ!刺激が強すぎる!
「へへへ。我慢汁でびしょ濡れだ。ケツを掘られて濡れるとはなぁ」
「違う・・・そんなんじゃっ・・・あぁあっ、ヤメてっ・・・はぁああっ」
前と後ろを同時に責められ、自然に腰が動いてしまう。
そのせいで睾丸を絞り出している縄が引っ張られ、またあの電気的な快感が下腹部を覆う。
俺は見知らぬ男に自由を奪われ、股間の全ての性器を同時に嬲られているのだ。
それなのになんでこんなに気持ちイイんだ!?
チンポどころか、身体の全部を性感帯にされたような、今まで味わったことの無いほどの快感なのはなぜだ。
ああ!尻の奥が感じてしまう!
「おっと、まだイくなよ!」
「ぎゃぁあああっ!!」
射精寸前だった俺は、陰嚢を引き千切られそうになって正気に戻った。
「イきたかったらこう言うんだ。『チンポをしゃぶらせてください』ってな」
俺の目の前に、赤黒くて太い男の肉がいきり立って揺れている。
血管を浮き立たせたそれはすえた臭いがして、俺は潤んだ目ですら直視できなくて顔を背ける。
言われた通りにすれば、楽になれる・・・。
恥辱にまみれた言葉を口にし、男が満足するまでフェラチオをしてやればいいんだ。
道端で拉致されて、監禁された挙句にこんな仕打ちを受けて、言うことを聞かなかったらどんな酷い目に遭わされるか分からないのだから。
ほんの一瞬我慢すれば・・・。

俺には出来なかった。
心の底にあるプライドが軋み、俺は顔を背けたまま沈黙する。
「へえ」
男が笑っている。
「頑張るじゃないか。苛め甲斐がある」
いきなり股間に張り手が飛んだ。
「ひぎぃぃいいいいいいっ!」
硬く張り詰めた肉を平手打ちされ、あまりの激痛に目の前が真っ白になる。
「いいケツしてるんで拉致ってみたが、こんなに楽しませてくれるとはな」
「ひぃあぁあああっ!あぁひぃっ!うぎぃいいいっ!」
何度も肉を打ち据えられ、陰嚢を絞られ、俺は絶叫した。
「おいおいなんだお前、さっきより濡れてるぞ。こりゃスゲぇ」
俺の鈴口から溢れ出た汁は、ベッドの上に小さな水溜りを作るほど大量に滴り落ちている。
こんなに苦しいのに、なぜだ?
駄目だ。頭の芯が痺れて、考えがまとまらない。
俺は、俺は、何をしているんだ?
「痛くされたほうが感じるんだな、お前。どうだ、もうイきたくて堪らないんだろう?」
ディルドを留める股縄が背中のほうに強く引かれ、尻の中の異物が前立腺を押し上げた。
「ぁあぁ・・・ぁあぁぁ・・・っ」
途端にぶるりと身体が震え、甘くて切ない疼きが下半身を支配する。
「お前、ホントにノンケか?ケツでよがりやがって」
馬の手綱を引くように振動を与えられ、緩やかな刺激が股縄を通じて尻の性感帯に伝えられた。
尻の中が、とろけそうになる。
「そら、自分でケツ振れよ。女みたいにプリプリ振ってみせろ」
尻を振ると、前立腺の上でディルドがコマみたいに回転する。
ゴリゴリされると、我慢汁がどんどん溢れてしまう。
ああ、イきそうだ・・・もっと、強く引いてくれ・・・
もっと、強い刺激が欲しい・・・っ

「あぁぁはあぁぁぁ・・・ぃやぁ・・・あぁあぁぁ・・・・」
「鳴きながらケツ振って、スゴい格好だな」
もう、何がなんだか分からない。
尻を振ってる時に股縄を強く引いてもらうと、前立腺を抉るような激しい刺激でチンポまで熔けてしまいそう。
ああ、もうすぐ、イく、
もっと、もっと、奥の方、ああ、
あぁああああっ!

「オアズケだ」
「ぎぃいいいいいいっ!」
袋を縛る縄を思い切り引かれ、俺は絶叫した。
しかし、下半身で煮え滾っている快感があっという間に激痛を飲み込み、それすら悦びに変換する。
「あぁーーぁああぁーーーっ、ぅあーー・・・っ」
自分で陰嚢を引き伸ばすように尻を振り、俺は男を見上げた。
相変わらず顔は見えないが、興奮して雫をこぼしている肉棒は目の前にある。
「咥えろ」
男が肉を倒して俺の口に突っ込む。
塩辛いそれに吸い付いた瞬間、男がディルドで俺の感じる場所をピストンした。

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